ウインドリバー

予告も宣伝も観た事がなく、全くノーマークだった、大阪でも1館でしか上映されていない映画を観てきました!!

ウィンドリバーという作品です。

主演は何気に気になり好きな俳優の1人、ジェレミーレナー。

共演に、4年前に公開されたGODZILLAで主人公の嫁を演じていて何となく気になった、エリザべリスオルセンが抜擢されています。

タイトルの、ウィンドリバーって何だろう?という位、前知識も先入観もナシに観に行ったのですが

今作は、実話をベースにしており、殺人事件と限定出来ない若い女性の死体発見から、犯人を捜し出すサスペンス要素もありながら、実は非常に物悲しい、先住民アメリカンインディアンの現在尚はびこっている差別、偏見が見事に描かれている秀作でした。

ウィンドリバーとは、ワイオミング州の雪深い荒涼たる地域の名前で、そこは先住民の居留地でもあります。

居留地と言えば聞こえは良いですが、映画から伝わる現状は、荒涼たる春でも雪深い人里離れた僻地に、インディアンを隔離している地域と、呼ぶに相応しい場所でした。

インディアンの女性と結婚し、その地区でハンターをする、主人公は過去、若い自分の娘を雪深い草原の中で亡くしていました。

何故亡くなったのか解明もされず、苦しみを抱えて生きています。

そして今回、インディアンの友人の18歳になる娘が、同じ様に雪深い草原の中で、10も裸足で逃げまとい、結果余りの冷気に肺が破裂し死んでいたのを偶然発見します。

殺人事件の可能性もあると、FBIから新米女性捜査官が1人だけ派遣されます。不慣れな僻地で1人の捜査官で何が出来るのか

誰よりその状況を知っていた女性捜査官は、第一発見者であり、地域にも詳しい主人公に捜査協力を求めます

主人公は、娘を亡くした友人の気持が痛い程分かるし、どうせ先住民の捜査等真剣にやらない国の態度が分かっているだけに、捜査協力する体で、友人から託された犯人を見つけ復讐する為に動きます。

果たして、何で若い先住民の娘は、雪深い草原で、肺を破裂させ死ななければならなかったのか

少しづつ真実が解き明かされていく訳ですが、どのシーンも非常に緊迫感とリアリティがあり目が離せません。

と、同時に、捜査過程において、居留地で生活させられている、インディアンそれぞれの苦痛や悲哀が、滲み出てきます。

ボーダーラインという秀逸なクライムサスペンス映画があり、その映画で秀逸な脚本を手掛けていた、テイラーシェリダンという人が、今作では脚本だけにとどまらず監督も務めています。

初監督作品らしいですが、見事な演出と画像でした。

事件は解決されるのですが、何とも虚しい迄の、寂しさというか悲しみと怒りの残る作品になっています。

そしてエンドロールでは、過去その居留地での先住民女性の行方不明者は何人も出ているのに、その統計やデータはオフィシャルに存在していないというテロップが流れます。

アメリカ社会の黒人差別は、昔から大きなテーマで、映画その他でも再三扱われ作品数も多いですが、実は今尚、昔さながらに続いているインディアンに対する差別は、少数民族だけに、それこそ置き去りのまま殆ど扱われていないという、片方の事実を改めて知りました。

映画の出来としても全てが素晴らしいですし、テーマも深く、見応えのある、何とも心に残る作品で、超お薦めです!!

しかし、こういう作品に限って、公開館が少ないのは本当に残念です。